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ビジネス英語での会議での議論の進め方

英語での会議は、参加するだけで緊張するという人が少なくありません。いざ議論が始まると、気後れして自分の意見が言えなくなるという人もいるかもしれません。
英語での会議に参加するにあたっては、議事進行、すなわち議題の提示や移行、あるいは質疑応答などで使われている定番の英語表現をおぼえておくと、その分だけ落ち着いて対応することができるようになります。
ここでは、「①議題を提示する」、「②意見を求める・聞き直す」、「③質問する」、「④意見や反対意見を言う」の4つに分けて解説します。

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議題を提示する

会議で議論を始めるには、きっかけが必要です。
まず、会議のはじめに、司会進行役が次のように話を切り出します。

 

Let’s start with the first issue.

(では、最初の議題に入りましょう。)

First, let’s discuss the sales promotion.

(はじめに、販売促進について話し合いましょう。)

解説
英語で「最初の」を意味する単語は、firstです。また、「まず最初に」と言いたい場合は、「at the first」という表現を使います。「なによりもまず」と強調して言いたい場合には、「first and foremost」という表現もありますよ。

 

議事進行表を配布している場合は、「Let’s talk about the first issue on the agenda.(進行表の最初の議題について話し合いましょう)」と言うこともできます。

 

さらに、進行表に書かれている議題も含めて伝えたいときは、「The first item on the agenda is ~.」となります。「~on the agenda」で「進行表に書いてある~」という意味です。

 

取り上げた議題に対する結論が出たら、そのことを、一旦、参加者に宣言します。

 

Now, we have decided to choose Plan A.

(プランAに決まりました。)

あるいは、その場では結論は出さず、次回に再度話し合うことにする場合は、次のように言います。

 

Let’s carry this item over to the next meeting.

(この議題は次の会議に持ち越しましょう。)

解説
decideは、「決定する」という意味の動詞です。ここでは、現在完了形(have+過去分詞)の形になっていて「たった今、~した」という意味を表しています。

 

chooseは「選ぶ・選択する」。selectも同じような意味で使われます。

 

carry over~で、「~に持ち越す」という意味です。「hold over~」や「hold off」と置き換えることもできます。また、「結論を持ち越しましょう」は、「Let’s hold over(off) the decision.」と表現できます。

 

提示した議題に関する議論が出尽くしたときや、予定の時間になったときには、次の議題に移ります。その場合は、次のような表現が使われます。

 

Why don’t we go to the next item?

(次の議題に進みましょうか。)

Let’s move on the next topic.

(次の話題に移りましょう。)

解説
「Why don’t we~?」は、直訳すると「私たちはなぜ~しないのですか?」となりますね。しかし実際には「~しましょうか?」という意味で、相手に何かの動作を促すときなどに使う丁寧な表現です。例えば、「ランチに行きましょうか?」は「Why don’t we go to lunch?」です。

 

ちなみにweをyouに変えた「Why don’t you~?」もよく使われます。この場合は、相手に対して「~しませんか?」という提案の意味になります。

 

「そこに行きませんか?」と言うなら「Why don’t you go there?」となります。

 

いきなり「次の話題に移りましょう」と言うと唐突な印象になることもあります。その場合は、議題に移る理由を入れることもできます。

 

We have run out of opinion, so let’s talk about the next topic.

(議論が出尽くしたので、次の議題について話しましょう。)

意見を求める・聞き直す

会議で誰も意見が出ないときなどは、進行役が意見を求めることもあります。また、発言を聞き直す場面もみられます。まず、相手に意見を求めたり、発言を促したりする場合は、以下の表現があります。

 

What do you think about this problem?

(あなたは、この問題についてどう思いますか?)

I’d like to have your opinion.

(あなたの意見を伺いたいです。)

解説
「what do you think~?」は、相手の意見を尋ねるポピュラーな表現です。特定の人に意見を求める場合は、最初に名前を呼んで、この表現を続ければよいです。

 

ちなみに、「~についてどう思うか」という意味で「how do you think about ~?」という表現を使う人がいます。しかし、ネイティブスピーカーには、「~についてどのような方法で考えますか?」という意味に伝わってしまいます。もしhowを使うなら、「How do you feel about~?」と言うとよいでしょう。

 

problemは、「問題」です。「問題がない」「大丈夫」と言うときに「No problem.」と表現します。

 

「I’d like to~」は、「I want to~」を丁寧にした形で「~したい」という意味です。あるいは、「Please let me know~.(~を教えてください)」という表現も使えます。

 

opinionは「意見」です。また、「忌憚(きたん)のない意見」と言いたいときは、「honest opinion」と言えます。honestは「正直な」という意味です。「遠慮なく意見を述べてください」という場合は、「Don’t hesitate to say your opinion.」となります。意見の代わりに「見方」を尋ねたい場合は、「opinion」を「a point of view」に置き換えればよいです。

 

自分の意見を言ってもよいかどうかを尋ねるときには、以下の表現があります。

 

Can I say something?

(ちょっとよろしいでしょうか?)

Can I add something here?

(少し補足してもよろしいでしょうか?)

解説
「Can I~?」は、「~してもよいですか」という許可を求める表現です。より丁寧に表現する場合は、「Could I ~?」を使います。

 

また、「May I~?」も同じく許可を求める表現です。

 

「Can I add something here?」は、一言付け加えたいときなどに使われる表現です。
addは「追加する」という意味です。

 

発言した内容がきちんと聞き取れなかったときや意味が理解できなかったときには、以下のような表現を使って聞き直します。

 

Could you repeat that?

(もう一度、お願いできますか?)

Could you run through that again?

(もう一度、おっしゃっていただけますか?)

解説
「Could you~?」は、「~していただけますか」という丁寧な表現です。「Would you~?」と表現してもよいです。

 

また、日本でもよく、何かをお願いするときに「すみません」と頭に付けますが、英語でも、最初に「Sorry」あるいは「Excuse me」などと言ってから、「Could you…」と続けることも多いです。あるいは、これらのフレーズの後に「please」を付けても丁寧な印象になります。

 

「repeat」は、「繰り返す」という意味ですね。

 

「run through」は、直訳すると「走り抜ける」ですが、「ひと通り行う」「通して行う」などの意味でも使われます。ちなみに、舞台やコンサートを、ひと通りの流れに沿って行う通し稽古も「ランスルー(run through)」と言います。上記の例文での「run through」は、「ざっと説明する」といったニュアンスで使われています。なお、「詳しく説明する」と言いたい場合には、下記のように「spell out」を使うとよいでしょう。

 

Could you spell out that again?

(もう一度、詳しくお話しくださいませんか?)

意見を言う

会議で自分の意見を述べるときには、例えば、以下の表現が使えます。

 

I think that this is wrong.

(これは間違っていると思います。)

We need to build a new strategy.

(新たな戦略を講じるべきです。)

It is our best solution at this time.

(これが、現時点では最善の解決策です。)

解説
「I think that~」は、「~と思う」という場合に使う一般的な表現です。さらに強く主張したいときは、「I believe that~」や「I have a firm belief that~」を使います。どちらも「私は~と確信しています」という意味です。

 

「wrong」は、「間違い・不適切な」という意味です。例えば、間違い電話をかけることは、「have/call the wrong number」などと言います。

 

「need to~」は、「~する必要がある・しなければならない」という意味です。「must」や「have to~」に変えると、「~しなければならない」という、より強いニュアンスを伝えることができます。

 

また、「~すべきだ」と言いたい場合には、「should」を使うとよいでしょう。なお、「had better」とした場合は「~したほうがよい」という意味になりますが、日本語の意味よりも強めの表現とされており、「should」より「must」や「have to」に近いニュアンスがあるので、注意しましょう。

 

strategyは「戦略」です。

 

「best」は「good」の最上級で「最善の」という意味です。最善とまでは言えないけど、それよりは良いというときは「better」を使います。

 

「solution」は「解決策」です。最近は日本語でもそのまま「ソリューション」と使うこともあります。

 

「at this time」は「現時点では」。「now」と一言で言う場合もあります。ちなみに「将来的に」は「in the future」です。 

 

誰かの意見に賛成するときには、以下の表現が使われます。

 

I agree with you.

(あなた(の意見)に賛成です。)

I couldn’t agree more.

(大賛成です。)

I support your opinion.

(あなたの意見を支持します。)

解説
「I agree with~」で「~に賛成する」という意味です。
あるいは、「agree」の名詞形「agreement」を使って、「I’m in agreement with you.」とすると、フォーマルな印象になります。

 

また、条件付きの賛成の場合は、次のように表現できます。

 

I agree with you basically.

(基本的には賛成です。)

I agree with you on that point.

(その点では、あなたに賛成です。)

「I couldn’t agree more.」は、一見「賛成できない」と解釈しがちですが、それは間違いです。実際には、「これ以上賛成できない」ことを表していて、「大賛成」「まったく同感」などと訳されます。また、「全面的に賛成」の場合は、「completely(完全に)」という副詞を追加して、「I completely agree with you.」となります。

 

一方、「強いて言えば賛成」という場合は、「If you ask me(どちらかと聞かれれば)」と前置きして、「I agree with~」と続ける方法もあります。

 

なお、「agree with」の後には、「人」が来ますが、「agree to」を使う場合には、提案などの人以外のものが後に来ますので、注意しましょう。ちなみに、これを表した例文である、「I agree with you.」と「I agree to your opinion.は、どちらも「あなたに賛成です」という意味になります。

 

明確に「賛成します」と言うのではありませんが、同意するような相づちを打つ場合もあります。

 

Definitely.

(そうですよね。)

That’s right.

(その通りです。)

I think that’s a good idea.

(いい考えと思います。)

解説
「definitely」は、「明確な・確実な」という意味です。会話で相手の意見を全面的に肯定しているときによく使われます。

 

「That’s right.」の「right」は、ここでは「正しい」という意味です。「right」と言えば「右の」という意味を思い浮かべる人が多いと思いますが、「正しい」「適切な」という意味もあります。また、ビジネスでは「権利」という意味でもよく使われます。例えば「特許権」は「patent righ」t、「著作権」は「copy right」です。

 

反対の意見を述べるときには、次の表現があります。

 

I can’t agree with you.

(賛成できかねます。)

I have to disagree with you.

(反対せざるを得ません。)

I have to object to the plan.

(その計画には異議があります。)

解説
先ほど紹介した「I agree with~」に「can’t」という否定の助動詞を入れることで、反対の意を伝えることができます。「don’t」も使えますが、「can’t」の方が「賛成する努力はしたけど、反対せざるをえない」というニュアンスが出やすいです。

 

また、最初に「I’m afraid(恐縮ですが)」をつけて、「I’m afraid I can’t agree with~」とすれば、語気を弱めることができます。

 

「disagree」は「agree」の反意語で「反対する」という意味です。他に「~に反対する」の意味で使われる英語表現としては、「object to~」や「be opposed to~」などがあります。ともに「to」の後には名詞が続きます。

 

意見や提案の内容自体は悪くはないが、賛成できないという場合は、以下の表現が考えられます。

 

That is an interesting proposal, but I can’t agree.

(興味深い提案ですが、賛成しかねます。)

I’d like to do that, but I think it’s risky.

(やりたいところですが、リスクがあると思います。)

解説
「interesting」は、「面白い」と訳されることが多いですが、単に、おもしろおかしいというより、「興味深い」という意味です。

 

proposalは「提案・計画」の意味です。

 

「I’d like to do that」や「I’d like to adopt that idea(その考えを受け入れたい)」などの表現を使うことで、その提案自体に反対しているわけではないことを示せます。

 

「risky」は「risk」の形容詞で「リスクがある」という意味です。よく耳にする「risk management」は、「危機管理」という意味になります。
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