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ビジネス英語でのクレームへの対応

顧客や取引先から突然クレームを受けると、どうしても慌ててしまいますね。ましてや英語での対応となると、さらに緊張してしまうかもしれません。しかし、相手の立場に立つことや真摯な態度で臨むこと、正確な情報把握が重要であることなど、留意点は日本語での対応と同じです。落ち着いて誠意をもって対応することで、かえって信頼度が上がることも多いです。ここでは、「①クレームを言う」、「②クレームを受ける」、「③クレームを処理する」の3つに分けて解説します。

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クレームを言う

まず、最初に知っておくべきことは、日本語で使っている「クレーム」は、英語では「claim」とは言わないということです。日本語で使われている「クレーム」は、英語では「complaint」と言います。そして、「クレームを言う」は、「make a complaint」と表現されるのです。なお、念のため付け加えておくと、英語の「claim」は「主張」という意味です。

クレームの種類は様々ですが、ここでは、商品の配送等に関するクレームと請求書に関するクレームの表現を紹介します。

 

I’m afraid the product I ordered hasn’t arrived yet.

注文した商品が届いていないようですが。

I received the wrong product.

間違った商品が届きました。

The item arrived, but it was damaged.

商品は届きましたが、破損していました。

I think the amount of the invoice is wrong.

請求書の金額が間違っているようです。

解説
「I’m afraid」は「残念ながら」というニュアンスを伝えるときの表現です。

 

「the product I ordered」は、「私が注文した商品」のことです。商品という意味の英語表現は、「product」のほか、「article」「goods」「item」などがあります。その他にも、「merchandise(小売されている商品)」「commodity(どこにでもあるありふれた商品)」などがあります。また、農産物の場合には、「produce」が使われることもあります。なお、直接的に「商品」とは言わず、「what I ordered(私が注文したもの)」などと表現することも可能です。

 

「wrong」は「間違った・正しくない」という意味です。例えば「You got the wrong number.」は「あなたは間違い電話をしていますよ」という意味です。

 

「arrive」は「到着する」です。上の例のように「I(私は)」など人が主語の場合は「receive(受け取る)」ですが、ここでは主語が人ではなく「item(商品)」という無生物主語ですので、「arrive」が使われています。

 

「it is damaged」の「it」は「item(商品)」を指しています。「damage」は「壊す・損害を与える」という意味ですが、「be動詞(is)+過去分詞(damaged)」という受動態(受身形)になっていますので、「商品が壊れている」となります。

 

商品の状態などを示す場合、「be cracked(ひびが入った・砕けた)」「be broken(壊れた)」「be hurt(傷が入った)」などの表現が使われます。

 

また、全般的に「不良品」と言うときは、「defective products」「faulty items」などと言えます。

 

ちなみに、部品が足りないことを指摘する場合「Some parts are missing.(部品が足りません)」と表現できます。

 

「amount」は、ここでは「総額・総計」という意味です。「量」という意味でも使われます。例えば、「amount of rainfall」は「降雨量」です。

 

「invoice」は「請求書」のことです。「bill」とも言います。

クレームを受ける

クレーム対応で重要なことは、自分側ではなく、相手の立場に立ち、心情を察しながら発言することです。そのため、クレームの電話を受けたら、こちらの落ち度がある程度明白な場合には、まずは「お気の毒です」などといった相手を気遣う言葉をかけるとよいでしょう。

 

I’m sorry to hear that.

それはお気の毒です。

We’re sorry for the trouble.

ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

解説
「I’m sorry to hear that.」は、「お気の毒です」と相手を気遣うときに使う決まり文句です。

 

「We’re sorry for~」は「~して申し訳ございません」という意味です。この場合のweは、「当社」という意味です。「for」の後には、下記の例のようにお詫びの原因が続きます。

 

We’re sorry for your inconvenience.

ご不便をおかけして申し訳ございません。

We’re sorry for keeping you waiting.

お待たせして申し訳ございません。

なお、クレームを受けた時によく使われる相づちには、以下のものがあります。

 

I understand.

ごもっともです。

I agree with you.

おっしゃるとおりです。

I understand how you feel.

ご心中、お察しします。(お気持ちは理解できます)。

こちらの落ち度が明白である場合には、率直に、「I do apologize.(本当に申し訳ございません)」と言うべきでしょう。「apologize」の前に入っている「do」は、動詞の意味をより強調する役割を果たしています。これにより、深く謝っているというニュアンスを伝えることができます。お詫びの理由を述べる場合は、「I'm sorry for~」と同じく、「for」を続けて、「I apologize for~」とします。

 

I apologize for that mistake.

手違いがあり申し訳ございません。

I apologize for late shipping.

発送が遅れて申し訳ございません。

状況を把握するため、注文内容の確認をして、すぐに対応をすることを伝えます。そのときには、次のような表現が使われます。

 

May I have your order number?

ご注文番号をお伺いできますでしょうか?

Could you describe the damage in detail?

破損の状況を詳しく教えていただけますか?

I’ll check it right away and call you back.

すぐに確認して、折り返しお電話差し上げます。

解説
「May I have~?」は、「~を尋ねてもいいですか?」という意味の丁寧な表現です。「May I ask~?」も使えます。

 

「order number」は、文字通り「注文番号」です。注文した時期を尋ねる場合は、「Do you know when you ordered it?(商品はいつ注文されたかおわかりですか?)」などと表現できます。

 

「describe」は、ここでは「言葉で説明する」という意味です。「explain」も使えます。また、「spell out」にも、「詳しくはっきりと説明する」という意味があるので、一緒に覚えておくとよいでしょう。

 

「in detail」は、「詳細に」という意味です。「もっと詳しく」と言いたいときは「in more detail」と表現することもできます。

 

「I’ll check it right away and call you back.」は、対応法が自分では決められない場合に使える表現です。「right away」は「すぐに・直ちに」という意味です。「immediately」も同じような意味で使えます。「check」は、ここでは「確認する」という意味です。「ascertain」や「confirm」あるいは「look into」なども同じく「確認する」という意味で使われます。

 

「call back」は、「折り返し電話をする」という意味です。「担当者から電話をさせます」と言う場合は、「I’ll have the person in charge call you.」と表現できます。「have+人+動詞」で、「人に~させる」「人に~してもらう」という意味を表すことができます。

 

「the person in charge」 は「担当者」のことです。何の担当であるかを示す場合は、「in charge of~(~担当の)」という表現が使えます。例えば「営業担当者」ならば、「in charge of sales」です。

クレームを処理する

状況がある程度把握できたところで、クレーム処理に移ります。クレーム処理では、代替品や正しい商品を送ることなどの解決策を伝えます。また必要に応じて、事前に状況を確認するために、顧客に破損した商品を送ってもらったり、破損した部分を撮影した画像を送ってもらったりすることもあります。クレーム処理で使われる表現には、以下のようなものがあります。

 

We’ll send you the replacement right away.

すぐに代わりの商品をお送りいたします。

We’ll send you a corrected invoice immediately.

すぐに訂正した請求書をお送りいたします。

I’m sorry for the inconvenience, but could you send the damaged products back to us?

お手数ですが、破損した商品を当社までご返送いただけますでしょうか。

Could you send a picture of the damaged part of the item to us?

商品の破損部分の画像を送っていただくことはできますでしょうか?

解説
「send+人+~」あるいは「send+~+to+人」で、「人に~を送る」という意味です。

 

「replacement」は、「代替品・代わりの商品」という意味です。

 

間違った商品を配送してしまった場合に「正しい商品を送ります」と言う場合は、「send the correct product」などと表現できます。また、「不足していた部品を送ります」と言う場合は、「send the missing parts」などと表現できます。

 

「corrected invoice」は、正しい数字等に「訂正した請求書」です。

 

「I’m sorry for the inconvenience」は、「お手数ですが」という意味の決まり文句の1つです。「I’m sorry to trouble you, but…」も同じく「お手数ですが」という意味で使われます。また、このような前置きを入れず、「could you please~?」と「please」を入れることで、「申し訳ないですが」といったニュアンスを伝えることもできます。

 

「inconvenience」は「不便」のことで、反意語は「convenience」です。

 

「send+~ back to+人」で、「人に~を返送する」という意味になります。「the damaged products」は、「破損した商品」を指しています。

 

なお、商品を着払いで送ってもらう場合は、次のように表現できます。

 

Could you send the item back to us cash on delivery?

その商品を着払いで送っていただけますか?

あるいは、商品を送ってほしいことを伝えた後に、「Of course cash on delivery is fine.(もちろん、着払いで結構です)」などと付け加えることもできます。

 

「fine」は、「天気が良い・素敵な」といった意味がよく知られていますが、「~でいいですよ」という場合も使われます。例えば、「Any time is fine.」は「いつでもいいですよ」という意味です。

 

「cash on delivery」は「着払いで・代金引換で」などの意味です。省略して「COD」と言う場合もあります。

 

最後に、連絡をくれたことに対するお礼などを伝えます。

 

Thank you very much for your valuable feedback.

貴重なご意見ありがとうございました。

We will make sure something like this doesn’t happen again.

今後、このようなことが再び起きないようにいたします。

解説
「valuable」は「価値のある」という意味です。「precious(貴重な・高価な)」も使えます。

 

「feedback」は「意見」です。同じく「意見」という意味でよく知られている英語表現に、「opinion」があります。「opinion」が意見全般を指すのに対し、「feedback」は、何かを提供した場合などの「反応・評価」というニュアンスで使われることが多いです。

 

連絡をくれたことに感謝する場合は、下記のように表現できます。

 

Thank you very much for calling today.

本日は、お電話ありがとうございました。

Thank you for your contact at this time.

この度は、ご連絡ありがとうございました。

「make sure~」は、ここでは「必ず~します」という約束の意味で使われています。例えば、「I’ll make sure I call you tomorrow.」は「明日は必ず電話します」という意味です。 「make sure」の代わりに、「never fail to~」を使う方法もあります。

 

I’ll never fail to call you tomorrow.

明日は必ず電話します。

「something like this」は「このようなこと」という意味です。

 

「happen」は「起きる・発生する」という意味です。

 

また、「原因を究明します」という姿勢を伝えるときは、「We’ll review this problem thoroughly.(この問題を徹底的に調べます)」などと言うとよいでしょう。

 

ちなみに「商品の改善に役立ちます」と伝える場合は、「Your information will help us improve our product.(お客様の情報が、当社の商品の改善に役立ちます)」などと表現できます。

 

最後に、疑問点などがある場合には、顧客がいつでも気楽に質問できるように、次のような一言を添えるとよいでしょう。

 

Please feel free to ask me any questions.

ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

「feel free to~」で、「気軽に~する」という意味を表すことができます。

 

いずれにしても、例えミスを犯して厳しいクレームを受けたとしても、上記のような誠意ある態度を貫いていれば、いずれ顧客の信頼を高めることにつながる可能性があることを肝に銘じておきましょう。
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