ヘッダー

ビジネス英語での初対面のあいさつ・名刺交換

初対面のあいさつでは、「①簡単な声掛けの言葉」、「②自己紹介(氏名や社名・所属部署の明示)」の後、「③出会いの喜びを伝える」ことが大切です。ただし現実には、③と②が入れ替わることもしばしばありますし、どちらが先という決まりもありません。その場の会話の流れに応じて、臨機応変に対応することがポイントです。ただし、後で述べるように、日本のようにいきなり名刺交換から始まることはほとんどないので、その点だけは注意してください。出会いの喜びを伝える表現も、①や②と同様に、特に複雑なものはなく、ほとんど決まり文句のようなものばかりですので、しっかり暗記しておけば比較的容易に対応できます。

オプトインバナー

出会いの喜びを伝える

初対面のあいさつでは、「Hi, Hello」などの簡単な声掛けを行い、自己紹介(氏名や社名・所属部署の明示)を済ませたら、直ちに握手を求めながら、出会いの喜びを伝えるのが慣例です。その際、最も一般的な表現は、次の通りです。

 

Nice to meet you.

(お会いできてうれしいです。)

Nice to meet you, too.

(私も、お会いできてうれしいです。)

解説
通例、出会いの喜びを伝える際には、まずは拍手(handshake)を求めて手を差し出します。この時、日本式にペコペコと頭を下げたり、照れ笑いしたりするのはあまり好ましいものではありません。日本人としては謙虚に接しているつもりでも、外国人、特に欧米人には、謙虚というよりも、かなり卑屈な印象を与えてしまうからです。むしろ、お辞儀はせず、堂々と背筋を伸ばしたまま、自信に満ち溢れた笑顔を向けたほうが、断然、好印象を持ってもらえます。

 

その上で、「Nice to meet you.」とはっきりと言いながら、がっちり握手を交わしましょう。その際、youの後にMr. 〇〇〇、とかMs. 〇〇〇と相手の名前を添えるのもよいでしょう。握手の際に重要なのは、「アイコンタクトをとる」、すなわち相手の目をしっかり見るということです。握手の際に目をそらすと、相手はぞんざいに扱われているように感じたり、不信感を抱きやすいからです。また、握手の際の握る力はもちろん強すぎてはいけませんが、弱すぎるのも同様に好ましくありません。弱すぎると、気持ちがこもっていないような印象を持たれやすいからです。

 

「Nice to meet you.」は、日本語では「はじめまして」といった感じの決まり文句ですが、こちらから先に言うこともあれば、会話の流れによっては相手から先に言ってもらえることもあります。もし相手から先に言われた場合には、必ず、「Nice to meet you, too.」と返すことを忘れないようにしましょう。その場合は、最後のtooを強調して発音することが大切です。ただし、「Me too.」などと簡略的な言い回しで返すのは、少し失礼になりますので、控えるべきでしょう。

 

なお、「Nice to meet you.」は、次のように言い換えることもできます。

 

I’m glad to meet you.

I’m happy to meet you.

I’m delighted to meet you.

I’m pleased to meet you.

It’s my pleasure to meet you.

解説
これらの表現は、いずれも「Nice to meet you.」よりも丁寧かつフォーマルな印象を与えます。逆に言うと、「Nice to meet you.」は、よりフレンドリーかつフランクな印象を与える表現です。上記の「I’m glad to meet you.」や「I’m pleased to meet you.」など、I’mで始まる表現は、I’mを省略して、例えば、「Glad to meet you.」や「Pleased to meet you.」にすると、よりフレンドリーなニュアンスが伝わります。

 

最後の「It’s my pleasure to meet you.」は、myをaにかえて、「It’s a pleasure to meet you.」と言うこともできます。どちらにしても、「お目にかかれて光栄に存じます」といったニュアンスがあるので、上記のすべての表現の中で最も丁寧かつフォーマルな言い回しとなります。その意味では、この表現は相手がかなり目上の人物である場合には最もふさわしいと言えますが、通常のビジネス上のカウンターパート(counter part、「相手」の意味)とあいさつを交わす際には、むしろ「Nice to meet you.」の方がベターと言えるでしょう。

 

ここで1つ注意しておきたいのは、上記のすべて表現に関して、meetをseeに変えると、違ったニュアンスが伝わってしまうということです。meetが「初めて会った」際に使われるのに対して、seeは2回目以降の出会いの際に使われるからです。ですから、初めての出会いの際にはseeではなく、必ずmeetを使うようにしましょう。

 

そして、「Nice to meet you.」などの出会いの喜びを伝えた後は、次のような言葉を添えるとよいでしょう。

 

I have been looking forward to meeting you.

お会いするのをずっと楽しみにしていましたよ。

解説
このように「I have been looking forward to meeting you.」という言葉を添えると、相手はより親しみを感じてくれることでしょう。

 

「look forward to ~ing」を使うことで、「~するのを心待ちにしている(楽しみにしている)」という気持ちを表現できます。この表現は、手紙やメールでも一般的に使われています。

 

I’m looking forward to hearing from you.

お返事をお待ちしております。

この表現を使う場合のポイントは、toの後に来るのは、動詞の原形ではなく、動名詞(動詞+ing) だということです。とかく日本人は、つい、to meet youとかto hear youなどと言ったり書いたりしてしまいがちですが、文法的には明らかに誤りなので、十分注意しましょう。

 

また、空港に出迎えに行った場合は、

 

How was the flight?

空の旅はいかがでしたか?

などと相手を気遣う質問をして、スモールトーク(コミュニケーションを円滑化するための軽い雑談)につなげるのもよいでしょう。

 

また、相手が自社に来てくれた場合には、

 

Thank you for coming to our office today.

本日は、弊社にお越しいただきありがとうございます。

と告げましょう。

 

逆に、自分が相手の会社を訪れた場合には、

 

I'm pleased to visit your office here.

御社にお伺いできてうれしいです。

と言うべきです。

 

また、その後の会話の展開を進めるための決まり文句もあります。

 

I’ve heard a lot about you.

お噂はいろいろと伺っていますよ。

解説
I’ve heardは、I have heard~の短縮形で「~のことを聞いたことがある」とか「~だそうですね」という意味になります。a lotは「たくさん」、aboutは「~について」という意味ですので、「I’ve heard a lot about you.」は、「あなたについて(あなたのお噂は)いろいろと伺っています」という意味になります。

名刺交換

海外では、日本のようにいきなり名刺交換からスタートすることは稀で、むしろ、まず初対面のあいさつを済ませてから、名刺交換に入るのが普通です。その際の代表的な表現は、次の通りです。

 

Could we exchange business cards?

名刺交換させていただけますか?

交換するという意味の同士「exchange」に名刺が続く場合、その名刺は複数形となります。理由は、「交換する」には2つ上のものが必要だからです。

 

あるいは、相手に単刀直入に次のように求めるのもよいでしょう。

 

Could you give me your business card?

お名刺を頂戴できますか?

Sure, here is my business card.

もちろん、どうぞ、私の名刺です。

自分から名刺を渡したい場合には、次のように申し出ましょう。

 

Let me give you my business card.

私の名刺をお受け取りください。

名刺交換の段階になって、自分の名刺を切らしてしまったことに気づいた場合には、次のように言います。

 

I'm sorry, but I ran out of my business cards.

すみません、名刺を切らしていました。

解説
run out of~は、「~を使いきる」「~を失う」という意味の熟語です。上の例文は過去形の意味のため、runの過去形のranとなっています。

 

The company is running out of steam.

その会社は勢いを失いつつある。

 

I‘ll send you my card later.

後ほど、送らせていただきます。

もし、名刺そのものではなく、連絡先だけを後ほどメールで送ると言いたい場合には、以下のように表現します。

 

I’ll send you my contact information by e-mail later.

私の連絡先は、後ほどメールで送信します。

もちろん、名刺は極力切らさないようにすべきですが、万一のためにこれらの表現を覚えておくと、いざというときには役に立ちます。

 

解説
日本では、「私はABC社の〇〇と申します」といった感じで、名刺交換と初対面のあいさつが同時進行する場合が多いのですが、海外では、まずちゃんとあいさつを済ませたうえで、必要に応じて名刺交換をするというスタイルが一般的です。

 

つまり、日本のようにいきなり名刺交換から会話がスタートすることはほとんどなく、自己紹介の補助的ツールとして名刺が使われることも極めて稀なのです。そのため、意外かもしれませんが、場合によっては、別れ際に名刺交換ということも決して珍しくありませんし、こちらから提案しないと、結局、名刺交換なしで面談が終了するということもないとは言えないのです。

 

また、日本では、名刺は基本的に互いに両手で受け渡しをして、面談中はずっと机の上に受け取った名刺を置いておくのが一般的ですが、海外では必ずしもそのような慣習はありません。むしろ、片手で渡したり、受け取った名刺をすぐに胸元のポケットにしまったり、中には、あろうことか、こちらが渡した名刺にボールペンでメモ書きしたりする人もいます。

 

総じて言えば、海外においては、名刺は日本ほど丁寧に扱われていないという印象を受けます。とはいえ、これはあくまでも文化、あるいはビジネス慣行の違いであって、相手に悪気はありません。もちろん、日本式の名刺にまつわる作法が間違っているというわけでもないので、これまで慣れ親しんできた日本式の作法を全面的に取りやめる必要はありません。

 

ただし、日本では、名刺をやり取りする際に、しばしば丁寧に深々とお辞儀を交わす光景が繰り広げられますが、海外ではそのような光景をほとんど見かけることはありません。もちろんこの点に関しても、日本式を意識するのはかまわないのですが、やはりちょっと大仰な感じもしますので、丁寧なお辞儀を繰り返すのではなく、1回だけ軽く会釈する程度にとどめておいた方が自然だし、無難ではないかと思います。

英語の一般的な名刺の例

英語の名刺サンプル

①会社名

株式会社や有限会社の場合は、Co.,Ltd.(Company Limitedの略)、Inc.(Incorporatedの略)、そして、Corp.(Corporationの略)が使われます。Co.,Ltd.はイギリスの会社に、それ以外はアメリカの会社で使われることが多いです。

②氏名

名前の英語表記です。ローマ字表記の場合「ち」を「ti」、「つ」を「tu」などと書く方法もありますが、クレジットカードやパスポートなどでは、ヘボン式と呼ばれる方法で書くことになっていて、名刺も一般的にヘボン式が使われます。その場合、「ち」は「chi」、「つ」は「tsu」となります。

③肩書・所属

日本の場合は「販売部 部長」など、所属部署の後に肩書を書きますが、英語表記の場合は、通例、肩書のほうが先に来ます。

④本社住所

アメリカの住所は、「番地 → 通りの名前 → 部屋番号 → 都市名 → 州名 → 郵便番号 → 国名」の順となっています。ちなみに日本の住所を英語表記するときは、一番後ろから書いていきます。例えば、「〒107-0052東京都港区赤坂3-X-X 赤坂ビル5階」であれば、「5F, Akasaka Bldg, 3-X-X, Akasaka, Minato-ku, Tokyo 107-0052, Japan」です。つまり、「(入居しているビルの)階数 → ビル名 → 番地 → 市町村名 → 都道府県名 → 郵便番号 → 国名」の順になります。

⑤電話番号

英語名刺の場合は、海外からでもかけることができるように、国番号を表記します。アメリカの国番号は「+1」です。ちなみに日本の国番号は「+81」です。そのあとに、市外局番の「0」を省いて、続きの番号を書きます。 この事例では、会社の電話番号とFAX番号のみが記載されていますが、携帯電話番号を書く場合もあります。そのときは、携帯電話の場合は、MobileあるいはCellを使うことが多いです。これは、Mobile Phone、Cell phoneの略です。

オプトインバナー