ビジネス英語での会議のまとめ方
会議では、あらかじめ設定された最初の議題について議論が出尽くしたところで結論を出し、次の議題に移ります。そして、最後の議題の結論が出た段階で、まとめに入っていきます。この場面でも、これまでと同じように、定番の表現がありますので、おぼえておくと便利です。
ここでは、「①妥協を促す」、「②会議をまとめる」、「③連絡・確認」、「④次回日程を伝える」の4つに分けて解説します。
妥協を促す
意見が対立してなかなかまとまらないとき、状況をみて妥協を促す場合もあります。そのときには、以下のような表現を使います。
How about we are compromising?
お互い、歩み寄ってみてはいかがでしょう?
We have to compromise to overcome this problem.
この問題の克服には、私たちは妥協しないといけませんね。
「compromise」は、「妥協する」という意味です。「compromise」を、名詞として使って「make a compromise」としても同じく「妥協する」という意味になります。類似表現に「meet halfway」があります。これは「歩み寄る」の意味です。halfwayつまり「中間」をとる、ということですね。ここでは、主語を「we(私たち)」としていますが、「両者」という意味の「both sides」を使うこともできます。「each side」は「それぞれの立場」という意味ですが、各当事者に妥協を促すことになるので、二つの立場がある場合には、結果的に「both sides」と同様の意味になります。
「have to~」は、「must」と同様に「~しなければならない」という意味です。もう少し穏やかな印象を与えたい場合には、「had better」を使ってみるのもよいでしょう。
「overcome」は、「克服する・乗り越える」という意味です。例えば「障害を乗り越える」は、「overcome a barrier」などと言います。また、「overcome」は、「(悪い習慣を)断つ・やめる」という意味でも使われます。
I want to overcome a bad habit.
(悪い習慣から抜け出したいです。)
なお、「overcome」は、「get over」や「conquer」に置き換えることもできます。
「problem」は、「問題・課題」です。「issue」「 task」「 difficulty」などにも、同様の意味があります。
妥協点や解決策を見出したい場合は、次のような表現を使えます。
I think we can find some ground for compromise.
妥協点をみつけられると思います。
Let’s look for areas where we can compromise.
妥協できるところを検討しましょう。
Why don’t we hit a happy medium?
折衷案で落ち着くというのはいかがでしょう?
しかし、どうしても妥協点や打開策を見出せない場合には、やむを得ず結論を出すのを先送りにすることも考えられます。その場合には、次のような提案をすることが必要です。
Why don’t we sidestep the decision on this matter until the next meeting?
この問題の結論は、次回の会議まで先送りにしませんか?
「打開策」「打開の道」と言いたい場合には、「solution」や「way out」を使うとよいでしょう。
「way out」はもともと「出口」という意味ですが、「打開策」「解決法」という意味でもよく用いられます。
Let’s find a way out this difficulty.
この難題の打開策を見出しましょう。
「areas where we can~」で「~できるところ(部分)」という意味です。「area」は、「地域・区域・場所」などの意味でよく使われますが、ここでは、物理的な場所というより、「~できる範囲」といった意味です。
「hit a happy medium」で「中間をとる」という意味で、妥協点や折衷案を見出すことを指します。「hit」の代わりに「strike」も使えます。
Why don’t we sidestep the decision on this matter until the next meeting?
この問題の結論は、次回の会議まで先送りにしませんか?
なお、「解決策を見出すのをぐずぐずと先延ばしにすべきではありません」と主張したい場合には、「We should not procrastinate about finding a solution.」と言うとよいでしょう。「procrastinate」には、「ぐずぐずと先延ばしにする」というネガティブなニュアンスがあります。
会議をまとめる
意見が出そろったと思われる時点で、質問の有無や話し合うべきことが残っていないかを確認します。
Do you have any questions?
質問ありますか?
Do you have any final comments?
最後に言いたいことはありますか?
Is there any other points?
他に話し合っておくことはありますか?
「any」は、「いくつかの」という意味で、否定文や疑問文に使います。肯定文中での使用は間違いであり、「Do you have some questions?」とは言いません。
「final」は、「最後の」という意味の形容詞です。
「comment」は、そのまま「コメント」です。「comment」に類似する表現としては、「remark」があります。例えば、「make remarks on~」で、「~について所感を述べる」という意味を表すことができます。また、「意見」「見解」という意味なら、「opinion」も使えます。
「point」は、このシーンでは、「論点・問題点」などの意味です。特に焦点となっている論点は、「focal point」と表現されます。また、「観点」という意味なら、「viewpoint」や「point of view」などがよく使われます。
結論が出たところで、会議のまとめに入ります。
Let’s summarize what we discussed today.
今日話し合ったことをまとめましょう。
「what we discussed」は、「私たちが話し合ったこと」です。「what」と言うと、「What is this?(これは何ですか)」のように「何」という意味をイメージしがちです。しかし、実際には、「what 主語 V(動詞)」という形で「主語がVすること」となります。
例)
Do you understand what I am saying?
私が言っていることを理解できますか?
会議の終わりを告げるときには、次の表現が使われます。
I’d like to wrap up the meeting.
会議を終わりにしたいと思います。
Let’s call it a day.
今日はこの辺で。
That’s the end of today’s meeting.
今日の会議は終了です。
I declare the meeting closed.
閉会を宣言します。
「Let’s call it a day.」は、直訳すると「それを1日と呼ぼう」となりますが、「今日はこれくらいにしておきましょう」と切り上げるときに使われるポピュラーな表現です。
いきなり「終わります」というのは唐突ですので、例えば、「If there are no more questions(これ以上質問がなければ)」、あるいは「Time is running out.(時間が迫っている)」などの前置きをすることが多いです。
「the end of~」は「~の終わり」という意味です。また、「the end of year(年末)」「the end of July(7月末)」など、時期の終わりを示す表現としても使えます。
「adjourn」という表現を使って、「The meeting is adjourned.(閉会します)」とも言えます。
裁判官が「閉廷を告げる」際にも、「Court is adjourned(これにて閉廷といたします)」という表現が使われます。
「declare」は「宣言する」という意味で、これを使うとフォーマルな印象になります。また、「closed」を「open」に置き換えて「I declare the meeting open.」とすれば、「開会を宣言する」となります。
連絡・確認
通例、審議事項で一定の結論を得た後に簡単な連絡事項の伝達に移ります。
I’ll send everyone with the minutes by e-mail.
議事録は私がメールで皆さんに送ります。
Mike, please contact headquarters.
マイク、本社に連絡をとってください。
なお、「電話で」と言いたい場合には「by telephone」、 「skypeで」と言いたい場合には「on skype」を用いるとよいでしょう。
「minute」は、「30 minutes」など「分」という意味がよく知られていますが、「the minutes」は「議事録」のことです。この場合には、「minute」ではなく、必ず「minutes」と複数形で表現するので、要注意です。「議事録をとる」と言いたい場合には、「take the minutes」と表現します。なお、minuteには、「微細な」「細かな」「詳細な」という形容詞もあるので、注意してください。その際の発音は、ミニットではなく、マイヌートなので間違えないようにしましょう。
「contact」は「連絡する」です。「get in touch with~」や「get in contact with~」でも、「~と連絡をとる」という意味を表すことができます。
「headquarters(単数でもsを付ける)」は「本社・本部」という意味です。反対に「支社」は「branch office」、「支店」は「branch store」と言います。なお、「親会社」は「parent company」や「holding company」、「子会社」は「subsidiary」と表現します。
次回の日程を決める
最後に次回の日程を決めます。
When shall we get together next?
次はいつに集まりましょうか?
When shall we schedule the next meeting for?
次の会議はいつにしましょうか?
「get together」は「集まる」という意味です。
「schedule」は「日程・スケジュール」という意味の名詞として知られていますが、動詞としても使えます。「schedule ~for・・・」で、「~を・・・に予定する」という意味になります。
I schedule the party for next month.
来月、パーティーの予定があります。
具体的な日程の提案をする場合、次のような表現が使われます。
How is May 15th for the next meeting?
次回の会議は5月15日ではいかがでしょうか?
「~できますか?・よろしいでしょうか?」と言う場合は、「Can we ~?」を使います。
Can we have our next meeting on May 15th?
次の会議は、5月15日にできますか?
なお、自分には先約(別の用事)があり不都合であると言いたい場合には、
It is inconvenient for me because I have an appointment (another thing to do).
先約(別の用事)があるので、都合が合いません。
日程を決めた後、最後にお礼のあいさつをします。
Thank you for joining us today.
本日は、ご参加ありがとうございました。
See you next time.
次回お会いしましょう。
「See you next time.」は、日ごろのあいさつでも使う一般的な表現です。「you」の後に、次に会う日にちなどを続けるのも良いでしょう。次に会う日にちが近いときは、「See you soon.」「See you later.」「See you tomorrow.」などと言うこともできます。
なお、「See you again(またお会いしましょう)」は、次に会うことが特に予定されていない時に使いますので、次に会うことがほぼ決まっている場合には使うべきではありません。